難聴の人のための会議のライブ字幕ガイド
難聴の人のためのライブ字幕といえば、かつては特別な依頼と1週間前の事前連絡が必要なものでした。今では主要な会議アプリのどれにも字幕ボタンがあり、ほとんどのスマートフォンとノートパソコンにも別の字幕機能が組み込まれています。これは本物の進歩です。ただ、長い Teams 通話の間ずっと字幕に頼ったことのある人なら、その穴を知っています。名前は崩れ、2人が同時に話せば1行の意味不明な文字列になり、対面の会議では何ひとつオンになりません。
このガイドは、ろう者や難聴者、そしてその人たちの会議を設定する同僚のためのものです。「聴覚障害者向けの音声文字変換」を探してたどり着いたなら、ここで合っています。この記事では「ろう者」「難聴者」という言葉を使います。多くの人がその呼び方を好むためです。ここで紹介するのは、各ツールのドキュメントに書かれていることと、利用者の声です。補聴器や聴覚補助機器については、聴覚の専門家に相談してください。
まずは会議アプリにすでにある字幕から
Microsoft Teams、Zoom、Google Meet はいずれも、アドオンのライセンスなしで、話されている言語の自動字幕を生成します。Zoom では有料アカウントなら既定でオンになっていますが、ホストは字幕をオンにできる人を制限できます。翻訳字幕は、ライセンスが別途必要な別の機能です。字幕をオンにして、楽に読める大きさにする方法は次のとおりです。
- Teams でオンにする: 会議のコントロールで More actions(その他の操作)を開き、Captions(字幕)を選びます。旧版では Language and speech → Show live captions(言語と音声 → ライブ キャプションを表示する)を使います。
- Teams で読みやすくする: 字幕の横で Caption settings(キャプションの設定)、続いて Caption styles(キャプションのスタイル)を選ぶと、文字の大きさや色を変えたり、表示する行数を増やしたり、字幕の位置を動かしたりできます。これらのオプションは Windows と Mac のデスクトップアプリにあります。
- Zoom でオンにする: ツールバーの Show captions(字幕を表示)をクリックします(More(詳細)の中にある場合もあります)。ホストが字幕を制限している場合は代わりに Request captions(字幕をリクエスト)が表示され、ホストにリクエストが送られます。
- Zoom で読みやすくする: Show captions の横の矢印をクリックし(または字幕にカーソルを合わせて歯車アイコンをクリックし)、Caption settings(字幕設定)を選んで Font size(フォントサイズ)のスライダーを動かします。色やフォントを選んだり、字幕をサイズ変更できるボックスとして切り離したりもできます。Settings(設定)の Accessibility(アクセシビリティ)で Always show captions in meetings and webinars(ミーティングとウェビナーで常に字幕を表示)をオンにしておけば、ボタンを探す必要がなくなります。
- Google Meet でオンにする: 会議画面の下部にある Turn on captions(字幕をオンにする)をクリックします。字幕は自分にだけ表示されます。
- Google Meet で読みやすくする: More(その他)、Settings(設定)、Captions(字幕)の順に開き、Customize your captions(字幕のカスタマイズ)でフォント、フォントサイズ、文字の色、背景色を設定します。
手順は2026年10月11日に、Microsoft、Zoom、Google の公式ページと照らし合わせて確認しました。メニューの表示名は変わることがあるので、違っていたら字幕のアイコンを探してください。
字幕の質を左右するのは、プラットフォームよりも2つの要素です。1つは話し言葉の設定です。Zoom がある言語を想定しているのに参加者が別の言語で話していれば、字幕は間違ったものになります。もう1つはマイクです。Microsoft は、マイクの近くで話し、背景の雑音を避け、互いの発言にかぶせて話さないよう勧めています。そして字幕が正確でも、読む、話す、メモを取るを同時にこなすことになり、それ自体が重労働です。この最後の点については、あとで改めて取り上げます。
字幕を良くする、ちょっとしたお願い
ノートパソコンのマイクで参加する人にはヘッドセットを。話すのは一度に1人。見慣れない名前に戸惑わないよう、スライドとアジェンダは前日までに。
どのアプリにもついてくる字幕
スマートフォンやパソコンは、どのアプリの音声でも自分で字幕を付けられます。字幕機能のないウェビナーツール、研修動画、WhatsApp の通話などです。
| デバイス | 場所 | 知っておきたいこと |
|---|---|---|
| iPhone 11以降 | 設定 → アクセシビリティ → ライブキャプション | iPhone の音声やマイクの音声に字幕を付けられる。全画面表示も可能。文字の大きさと色は「外観」で設定 |
| Apple シリコン搭載の Mac | システム設定 → アクセシビリティ → ライブキャプション | パソコンの音声とマイクを切り替えられる。フォント、サイズ、色を選べる。「入力読み上げ」(Type to Speak)を使えば、文字を入力して返答できる |
| Windows 11(22H2以降) | Windows キー + Ctrl + L | 字幕を画面の上端か下端に固定できる。マイクの音声も追加できる。Copilot+ PC ではライブ翻訳も使える |
| Android(Pixel と一部の機種) | 音量ボタン → 自動字幕起こし(Live Caption) | 字幕ボックスを拡大できる。電話やビデオ通話にも字幕を付けられる。周りの会話には音声文字変換(Live Transcribe)アプリ |
出典:Apple の iPhone と Mac のガイド、Microsoft の Windows ガイド、Google の Android ガイド。Mac と Windows のライブキャプション、そして Android の自動字幕起こし(Live Caption)は、音声をデバイス上で処理します。対応言語は場合によって異なり、Apple はライブキャプションを危険度の高い状況や緊急時に頼るべきではないとしています。Windows では、字幕を画面の上端に固定すると、共有されたスライドと重なりにくくなります。
覚えておきたい習慣が1つあります。グループ通話では、スマートフォンのシステム字幕より会議アプリ自体の字幕を使うことです。たいていそのほうがうまく機能します。
自動字幕では足りないとき:CART
CART(communication access real-time translation の略)は、訓練を受けた人が速記やフォネティックキーボードを使って、話されたことをすべて入力していく字幕です。費用がかかり予約も必要ですが、明らかに CART が適している会議もあります。人事評価の面談、人事部との話し合い、研修、全社会議、固有名詞が飛び交う技術的な議論、あるいは自動字幕がうまくいかない状態が続くとき。手話を使う人にとって、字幕は手話通訳の代わりにはなりません。
Teams では、開催者が Meeting options(会議のオプション)で Provide CART captions(CART キャプションを提供する)をオンにし、字幕担当者に CART のリンクを送ります。Zoom では、ホストが字幕の API トークンの設定で手動字幕を有効にし、ミーティング中に Set up manual captioner(手動字幕作成者を設定)を選んで、API トークンを字幕担当者のソフトウェアにコピーします。それ以外のツールでは、テキストがどのように届くのかを提供元に確認してください。いずれの場合も早めに準備し、人名や専門用語を事前に字幕担当者へ送っておきましょう。
対面の会議:いちばん難しいケース
会議室には字幕ボタンがありません。ビデオ通話を兼ねていない限り、ここまでに紹介したものはすべて使えなくなります。多くの難聴のビジネスパーソンが、会議がいちばん難しくなるのはここだと言います。脇で始まる私語、ホワイトボードのほうを向いて話す人、肝心の一文にかぶさる笑い声。
いちばん手っ取り早い解決策はポケットの中にあります。マイクを音源にした iPhone のライブキャプション、または Android の音声文字変換(Live Transcribe)を使えば、部屋の中の話し声を無料で画面に表示できます。ただし会議では、スマートフォンはテーブルの遠い端よりも近くの声のほうをはるかによく拾い、誰が何を言ったかもわからず、あとで確認できるものもほとんど残りません。部屋での習慣も、どのアプリに劣らず効果があります。できるだけ多くの人の顔が見え、光が背後からではなく顔に当たる位置に座る。スマートフォンや会議用マイクをテーブルの中央に置く。話すのは一度に1人と決めておく。
あとで行動に移す必要がある会議なら、会議レコーダーが字幕アプリにないものを補ってくれます。iPhone と Android 向けの Laxis アプリは、部屋の会話を録音し、ライブの文字起こしを表示し、会議の進行に合わせてメモを書いていきます。終了後には要約とアクションアイテムが届き、話者ごとに名前を付ければ、誰が何を言ったかが文字起こしに表示されます。音声は Laxis のサーバーで処理されるので、電波が必要です。ライブキャプションと違って録音が残るため、参加者に伝え、会社の方針と現地の法律に従ってください。無料プランでは1回の録音は最長45分です。Record(録音)をもう一度タップすれば、同じノートの中で続けられます。
OSO AI Earbuds も同じアプリで使えます。Laxis の説明では、イヤホンのマイクが拾う音と、イヤホンで再生されている音声の両方を録音します。これは録音できるイヤホンであって、補聴器や聴覚補助機器ではありません。補聴器を使っている人は、リモートマイクについて聴覚の専門家に相談してください。
対面の会議で話についていけなくなるなら、Laxis アプリをダウンロードして次の会議で試してみてください。無料プランで毎月300分まで使えます。
あとから読み返す:会議後の文字起こしとメモ
良い字幕でも、流れて消えていきます。文字起こしがあれば、聞き逃した言葉を確認できます。今では Teams も Zoom も字幕を保存しないので、記録を残したいなら文字起こしをオンにしてください。それぞれがどこに保存されるかは、Zoom ミーティングの文字起こし、Teams の録画と文字起こしのダウンロード、Google Meet の録画の各ガイドで解説しています。
1つ注意があります。会議後のメモは予備であって、会議をリアルタイムで追うことの代わりにはなりません。聴覚障害に関する EEOC(米国雇用機会均等委員会)のガイダンスでは、スタッフ会議において、同僚のメモや書面の要約は通訳の有効な代替手段にはならないとされました。従業員が質問したり議論に加わったりできないからです。
多くの人にとって、Laxis の AI 会議アシスタントが役立つのはここです。ノートパソコンでは、Laxis がパソコン自体の音声を通じて Zoom、Teams、Google Meet、Webex を聞き取るので、ホストが字幕をオンにするかどうかに左右されません。Premium では、全画面の会議も含めてどのアプリよりも前面に大きなフローティング字幕が表示され、話者名が付き、フォント、色、サイズ、背景の暗さを選べます。終了後には要約、アクションアイテム、検索できる文字起こしが残り、AI Chat(これも Premium)が「締め切りについて Priya は何と言っていた?」といった質問に答えます。個人用辞書(Personal Dictionary)は人名や専門用語の認識を助けます。それでも自動音声認識であることに変わりはなく、字幕と同じ種類の誤りは起こります。Basic は無料で、月300分を音声入力と共有します。HIPAA には準拠していません。
職場で必要な配慮を求める
ここでの内容は一般的な情報であり、法的助言ではありません。米国では、障害を持つアメリカ人法(ADA)により、雇用主は過度な負担とならない限り、合理的配慮を提供する義務があります。EEOC のガイダンスには、会議プラットフォームの字幕機能、自動字幕ソフトウェア、CART、手話通訳者、聴覚補助機器、そして CART や通訳者を利用する人へのメモ取りの支援などの例が挙げられています。本人の希望が第一に考慮されるべきですが、有効な選択肢が複数ある場合は、雇用主が選ぶことができます。Job Accommodation Network(JAN)は、雇用主と従業員の双方に無料でガイダンスを提供しています。
英国では、雇用主は合理的調整を行わなければなりません。イングランド、スコットランド、ウェールズでは、Access to Work の助成金で、BSL(英国手話)の通訳者などの支援者、専門的な機器やソフトウェア、採用面接でのコミュニケーション支援の費用を補助できます。ただし、雇用主に法律上の義務がある調整は対象外です。北アイルランドには独自の制度があります。
受け入れられやすい依頼の仕方
具体的に伝えましょう。チーム会議では字幕を既定でオンに。アジェンダとスライドは24時間前までに。話すのは一度に1人、大人数の通話では名乗ってから。全社会議と研修には CART を手配。ノートパソコンから参加する人にはヘッドセットを。具体的な依頼のほうが、「アクセシビリティの改善」よりも承認されやすくなります。
話を追うためではなく、書くために音声認識を検討しているなら、アクセシビリティのための音声入力ソフトのガイドで扱っています。
会議を追い、あとから読み返す。 対面でも Zoom、Teams、Google Meet、Webex でもライブの文字起こし、Premium なら大きなフローティング字幕、そして終了後にはメモ。新規アカウントはすべて、クレジットカード不要の14日間 Premium トライアルから始まります。スマートフォン版・デスクトップ版をダウンロード
まとめ
字幕はアクセシビリティ機能として始まり、今では騒がしいカフェで誰もが使うものになりました。それでも、字幕に頼る人たちは今も最も厳しいテスターであり、字幕がどこで失敗するかについての指摘はたいてい正しいものです。質の悪いマイク、重なり合う発言、そして字幕がまったくない部屋。その多くは会議の習慣の問題なので、いちばん安上がりな解決策は、毎週顔を合わせる人たちと話し合うことである場合が少なくありません。
よくある質問
Teams の会議でライブ字幕を表示するにはどうすればよいですか?
会議のコントロールで More actions(その他の操作)を開き、Captions(字幕)を選びます。旧版では Language and speech → Show live captions(言語と音声 → ライブ キャプションを表示する)を使います。Windows または Mac の Teams デスクトップアプリなら、続いて Caption settings と Caption styles を開き、文字を大きくしたり、色を変えたり、表示する行数を増やしたり、位置を動かしたりできます。組み込みの字幕にはアドオンのライセンスは不要ですが、翻訳字幕は Teams Premium または Microsoft 365 Copilot による別のライセンスが必要です。
Zoom の字幕は大きくできますか?
はい。Zoom デスクトップアプリで Show captions(字幕を表示)の横の矢印(または字幕の歯車アイコン)をクリックし、Caption settings を選んで Font size のスライダーを動かします。字幕の色、フォント、位置を変えたり、字幕をサイズ変更できるボックスとして切り離したりもできます。Settings の Accessibility で Always show captions in meetings and webinars をオンにすれば、ホストが字幕を許可しているときは常に表示されます。
対面の会話でライブ字幕を表示できるアプリはありますか?
スマートフォンにすでに入っています。iPhone 11以降のライブキャプションはマイクの音声に字幕を付けられ、Android には音声文字変換(Live Transcribe)があります。無料ですぐに使えますが、記録はほとんど、あるいはまったく残らず、誰が話しているかもわかりません。仕事の会議なら、Laxis アプリが会話を録音し、ライブの文字起こしを表示し、話者に名前を付けられるようにし、終了後にメモを作成します。無料で月300分まで使えます。
CART 字幕とは何で、いつ依頼すべきですか?
CART(communication access real-time translation)は、訓練を受けた人間の字幕担当者が速記やフォネティックキーボードを使って行うライブ字幕です。人事評価の面談、研修、全社会議、固有名詞や専門用語の多い技術的な議論など、正確さが最も重要な会議に向いています。Teams と Zoom はどちらも字幕担当者が会議にテキストを流し込めるようになっているので、早めに予約し、人名や用語を事前に送っておきましょう。
雇用主には字幕を用意する義務がありますか?
米国では、ADA により雇用主は過度な負担とならない限り合理的配慮を提供する義務があり、EEOC のガイダンスは選択肢として会議の字幕、自動字幕ソフトウェア、CART、通訳者を挙げています。英国では雇用主に合理的調整の義務があり、イングランド、スコットランド、ウェールズでは Access to Work の助成金で支援者の費用をまかなえます。これは一般的な情報であり、法的助言ではありません。具体的なことは JAN や Access to Work に相談できます。
iPhone や Mac のライブキャプションは Zoom や Teams で使えますか?
はい。iPhone と Mac のライブキャプションは、Zoom、Teams、Google Meet を含むあらゆるアプリの音声に字幕を付けられ、マイクを通じて周りの話し声にも字幕を付けられます。Mac では Apple シリコンが、スマートフォンでは iPhone 11以降が必要です。対応言語や提供地域は場合によって異なり、Apple は精度にばらつきがあると注意しているので、緊急時には頼らないでください。